4月24日、人口戦略会議が発表した「消滅可能性自治体」。その数は744市町村で全体の約4割を占める。多くは地方の自治体だが、首都圏でも消滅可能性自治体は存在する。
東京都は奥多摩町と檜原村の2町村で、神奈川県は三浦市や中井町、山北町など6市町。埼玉県は行田市や寄居町、越生町など16市町村、千葉県は銚子市、勝浦市や富津市など22市町で、1都3県で46市町村に及ぶ。
「でも、これらの自治体のほとんどは都心から50~70㎞圏。90年代まではこうした地域でも家が売れていましたが、その後は50㎞圏内のもっと都心に近いエリアに人が移り住むようになっています」(不動産業界誌記者)
実際、前回(14年)発表された1都3県の消滅可能性自治体は66区市町村。その中には東京都豊島区をはじめ、埼玉県の三郷市や飯能市、千葉県の東金市や君津市などが挙げられていたが、いずれも今回の発表では消滅可能性自治体から脱却している。
「豊島区は大規模な再開発によりマンションが次々と増えたこと、三郷市はつくばエクスプレスの開業を機に街の開発が進んだことが大きな要因でしょう。首都圏の場合、もともと過疎化が進んでいた地方と違い、今後消滅可能性自治体から除外される市町村は他にも出てくると思います」(同)
ちなみに今回の消滅可能性自治体の中にも移住先としてオススメの地域があるとか。
「埼玉県の松伏町です。この町があるのは都心から25~30km圏と今回発表の消滅可能性自治体ではもっとも都心寄りです。町内に鉄道が走っておらず、隣接する越谷市内を走る東武伊勢崎線やJR武蔵野線の駅までバスか自転車を利用する必要はありますが、首都圏30km圏内の中では住宅価格も安く設定されています。また、50㎞以上離れた自治体でも都心まで電車一本で出られるところは多く、始発に近い駅なら座って通勤・通学できます」(同)
消滅可能性自治体というのはあくまで現時点での話。これを上手く逆手に取れば、ラクラク通勤できる家が格安で手に入るかもしれない。
※画像は埼玉県松伏町