”ZOZO買収“で激変するヤフー・アマゾン・楽天「3強」の業界地図

 ヤフーのZOZOTOWN買収の衝撃が冷めやらぬ中、楽天の三木谷浩史・会長兼社長が早くも対抗意識を見せた。

 と思えるのは9月17日、同社のファッション分野での商品取扱高は「約6000億円」で、ゾゾの「3113億円」(19年3月期)の1.5倍に上って既にして大きな溝を開けていることを示した上で、「今後はキリのいいところで1兆円を目指したい」と、ファッション分野でのEC(Eコマース)の更なる強化を語ったからだ。そして「Rakuten Fashion」という新構想を発表、ファッション関連事業者が利用できる新たなプラットフォームの構築を目指し、10月1日から新たなサイトをスタートするとした。

「ゾゾはご承知の通り、ゾゾグジット(アパレル各社の撤退)を食らい、プライベートブランドのスーツ戦略でも失敗し、会社として方向性を失っていました。そこで、広告事業を収益の柱としていたヤフーがこれを飲み込んだ。IT事業者として存在感があるのだから、ファッションECを手掛けないという選択肢は考えられない。ゾゾはファッション好きの顧客基盤はしっかりしているにもかかわらず勝手に自己収束を迎えていたのですから、『じゃあ買ってしまえ』というわけです」(経済ジャーナリスト)

 となれば、ヤフーはグループとして総合通販分野事業に乗り出すことになり、楽天の本業と丸被りすることになる。楽天としても、手をこまねいているわけにはいかない。

「様々な数字があると思いますが、ある民間企業のマーケットリサーチでは、ファッションECサイト利用で楽天がトップの約40%、次いでアマゾンが35%、3位がヤフーショッピングで20%強という数字があり、この3強が競っている状況です。20代に関してはゾゾが1位ですから、今回の買収劇で若年層がごそっとヤフーに移る形になって、業界地図が一気に塗り替わる可能性があります」(同前)

 様々なEC業界の中でもアパレルECは市場規模が大きく、2018年度の数字で1兆6454億円、前年比伸び率で7.74%となっている(経済産業省発表)。しかも、それでも欧米に比べるとまだまだ小さい。楽天としては、2012年度の決算説明会からゾゾとの比較を提示して早くから対抗意識を示し、この分野での強化を図ってきていた。

 いずれにせよ、楽天・ヤフー・アマゾンの列強3つ巴の争いが熾烈を極めるのは間違いない。

(猫間滋)

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