6月18日に消息を絶ち、乗船者5名は全員死亡という残念な結果となってしまった、タイタニック号見学ツアーの潜水艇「タイタン」。世界中がその趨勢を見守っていたが、ひょっとするとタイタン号の船内がYouTubeで公開されていたかも…といった「もしも話」を連想させるツイートが6月25日にあった。
ツイートをしたのは、世界に1億6300万人のフォロワーがいて、登録者数世界第2位のYouTubeチャンネル「ミスタービースト」を運営するジミー・ドナルドソンだ。当のツイートはこういったものだ。
「今月初め、タイタニック号探検の潜水艇に乗らないかと誘いを受けていた。乗っていたかもと考えるとゾッとするね」
そしてこんなメッセージが来ていたとして、「私は今月末に、潜水艇でタイタニック号のところに行く。君も乗ってくれたらチームのみんなも喜ぶんだけどな」という、乗船を誘うメッセージの写真を証拠としてアップしたのだ。
もちろん水中まで電波は届かないため、船内の様子をリアルタイム中継することはかなわないだろうが、彼が動画を撮るために乗船料25万ドル(約3500万円)を支払う可能性は十分あった。というのも、ミスタービーストはお金をかけた大規模な企画がウリだからだ。
「例えば20年4月には、32人のインフルエンサーと25万ドルをかけたじゃんけん大会を企画。同時視聴者数66万2000人で、当時のYouTubeで最も多く見られたオリジナルイベントになりました。その後人気が上昇すると、企画の金額も賞金もスケールを増し、21年11月にはイカゲームのセットを再現。456人に45万6000ドル(約6384万円)の賞金をかけて競わせたり、22年12月には賞金100万ドル(約1億4000万円)を出して、フォートナイトの大会などを行ったこともあります」(ネットライター)
ドナルドソンは2012年、13歳の時に初めてYouTubeに動画をアップした。当初は時間と体を張った企画で売っていて、人気が出だした17年には24時間水中に滞在するなどという、タイタン号につながりそうなチャレンジを試みていたこともある(結局は頓挫)。
「ただ当のドナルドソンのツイートでは、メッセージの送り主のことは伏せているので、100%タイタン号からの誘いだったかどうかは不明です」(同)
タイタン号への乗船では、「たとえ死んでも責任は負わない」という免責事項にサインすることが条件だったため、遺族はツアーを主催したオーシャンゲート社に法的責任を問えるかどうかという話になっている。やはり乗らなくて正解だったようだ。
(猫間滋)