スパチャは登録者500人から可能に Youtubeが収益化条件を大幅緩和する裏事情

 米Google傘下のYouTubeは13日、クリエイター向けの収益化プログラム「YouTubeパートナープログラム(YPP)」への参加資格要件を緩和すると発表した。以前はチャンネル登録者数1000人だったものが500人に下げられるなど対象者はかなり増えるが、なぜYouTubeは突如として緩和をおこなったのだろうか?

「これまでYPPに参加するには、チャンネル登録者数が1000人以上で、動画の総再生時間が過去1年間で4000時間以上、もしくはショート動画の再生回数が直近90日間で1000万回以上が必要でした。しかし、新たに緩和された参加資格要件はチャンネル登録者が500人以上で、直近90日間で動画を3本アップロードしていて、過去1年間の動画再生時間が3000時間以上、もしくは過去90日間のショート動画の再生回数が300万回以上と大幅に緩和されているのです」(ネットライター)

 新たな参加資格要件を満たしたクリエイターは、メンバーシップやスーパーチャットの他、YouTubeショッピングで自身の商品をプロモーション出来るようになるなどの機能を利用して収益を得られるようになる。広告収入の分配を受けるためにはチャンネル登録者数が1000人以上など従来の要件を満たさなければならないが、それでもチャンネル登録者1000人未満のYouTuberからは歓喜の声があがっている。

「参加資格が緩和されたといっても、広告収入は分配されないので、収益化できるクリエイターが増えてもYouTube的にはまったく痛くも痒くもないでしょう。むしろ、スパチャが増えれば3割の手数料が入るので、クリエイターのためのというよりYouTubeのための緩和とも言えるのです。最近では多くの人気YouTuberが収入減少を告白していますが、これはYouTube自体の広告収入が減っていることが原因とされています。そのため、新たな収入源としてYPPを緩和してより、多くの手数料を得ようとしているのではないでしょうか」(ITジャーナリスト)

 なお、新しい要件は米国、英国、カナダ、台湾、韓国でのみ導入されているが、今後は日本を含む全世界に拡大される予定だ。

(小林洋三)

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