曲の途中にアクロバット…「太陽とシスコムーン」が“伝説”として語り継がれるワケ

 1997年に結成され、今年25周年を迎えたのは、人気アイドルグループ・モーニング娘。だ。5月26日には、当時2期生として活躍した保田圭、矢口真里が中心となり、ゲストに市井紗耶香を迎え、ハロープロジェクト25周年イベントが行われることが決定し、話題となっている。

 ハロープロジェクトからはその後も、あややこと松浦亜弥や、ミキティーこと藤本美貴など、ロックバンド・シャ乱Qのつんく♂がプロデュースするアイドルが続々と誕生し、当時の若者から絶大なる人気を誇っていた。そんなアイドルたちが全盛期だった90年代後半、テレビ東京で放送されていたオーディション番組「ASAYAN」から一つのアイドルグループが誕生した。

 彼女たちの名前は「太陽とシスコムーン」。後に「T&Cボンバー」に改名されるも、現在も太陽とシスコムーンの名前が浸透している。

 オーディションでは、一度芸能活動をしていた女性が集められ、最終的には大阪パフォーマンスドールで活動をしていた稲葉貴子、民謡歌手で母親としての顔も持つ小湊美和、オリンピック出場経験のある元体操選手の信田美帆、中国で歌手をしていた本多RuRuの4人が合格し、グループが結成された。

 活動期間は1年半ほどと短かったものの、彼女たちがリリースしたシングルには名曲が多く、タレントのマツコデラックスも絶賛するほどであった。

 しかし、当時は若いアイドルの全盛期。20代後半でデビューした彼女たちはなぜ、今も伝説として語り継がれるのか。デビュー当時から彼女たちをよく知る音楽ライターがこう話す。

「抜群の歌唱力はもちろんのこと、ダンスパフォーマンスの高さや、大人の女性ならではの妖艶さは、彼女たちにしか出せなかった魅力でしょう。さらに、歌の間奏の途中で元体操選手の信田が得意のアクロバットを披露することも、ファンの間で人気だったようです。現在は解散してしまいましたが、数年に一度は集まってライブをしたり、ハロープロジェクトの音楽フェスにも出演しています」

 2019年には、海外を拠点とする本多を除く3人が集まり、ライブが開催されていた。待ち焦がれているファンのためにも、活動を再開してもらいたいものだ。

(佐藤ちひろ)

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