「悪魔の3つの白い粉」依存、1つは科学の力で解決か キリンHDと明治大学が共同開発

「悪魔の3つの白い粉」と呼ばれるものがある。白い粉と言っても、手を出したら人生が終わってしまうアレではない。塩と砂糖と小麦粉だ。この3つは摂り過ぎると、肥満や生活習慣病、心臓病などにつながるが、人間が大好きなものであるため「魔性の粉」となっているからだ。

 ところが塩に関しては、近く科学の力でだいぶ摂り過ぎを解消できるかもしれない。もちろん、強い精神力や我慢を強いられることもなく。

「明治大学とキリンホールディングスは減塩食を食べた時でも十分な塩味を感じられるスプーンとお椀を開発。今月に実証実験を行い、23年の発表を目指しているというのです。仕組みは、人体に影響しない微弱な電気を流すことで、味の感じ方を変えるというものだとか。『電気味覚』というそうで、物は『エレキソルト‐スプーン‐』『エレキソルト‐椀‐』と名付けられています」(経済ジャーナリスト)

 この驚きの開発には、さすがにSNSでも「科学の力ヤベーな」などと驚きの声が上がっている。ちなみになぜお椀とスプーンなのかと言えば、減塩中の人が食べたいもののトップがラーメンやみそ汁だったことから、それに適したものにしたとのこと。

「味というものは複雑かつけっこういい加減なものです。例えば、目隠しをすれば何を食べているかはあまり言い当てられないものだし、ヘッドフォンを付けて物を食べると、サクサクという咀嚼音が増幅されて、よりおいしく感じられたりするものです。だから味覚の構造を解明して、科学で再現できる余地があり、やはり明治大学とキリンHDのこの両者は、味や匂いをデータ化して再現する技術の開発に着手し、食品開発やヘルスケアに生かす試みを行っていました。今回の発明はその成果の1つです」(同)

 科学の急速な発展を考えれば、近い将来にいくら食べても健康や肥満を気にする必要がないあらゆる夢のようなものが出来てくるかもしれない。

(猫間滋)

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