ソフトウェア開発会社のサイボウズは7月13日、昨今の世界的なインフレ傾向を踏まえ国内と海外で勤務する直接雇用契約を結んだ社員に対して「インフレ特別手当」を支給すると発表。称賛の声があがっている。
同社によると、「2022年に入り、電気代や食料品、生活用品など、生活の基盤となる分野での価格上昇が世界的に進んでいる」ことから「日本およびグローバル拠点のサイボウズ社員が生活に不安を抱くことなく業務を行えるよう、インフレ特別手当を支給する」ことを決めたという。サイボウズでは基本的に毎年1月に給与改定を実施しているが、「今回インフレへの早急な対応が必要と判断し、特別一時金の形で」7月〜8月の間に支給される。
国内勤務での支給金額は1日8時間週4日超勤務で15万円、同3日超勤務で12万円、同2日超勤務で9万円、同2日以下勤務で6万円となり、海外勤務では各拠点で金額を決定し、支給されるという。なお、昨年12月末時点での連結子会社を含めた従業員数は969名となっている。
サイボウズのインフレ手当支給にネット上では、《マジで日本政府に爪の垢を煎じて飲ませたい。あくまで一時金だけど、やらないよりは全然マシ》《この取り組みは、働く側にとってはとてもモチベーションの上がることだと思う》《これは社員も嬉しいだろうし、会社にとっては宣伝にもなるし、ウィンウィンで素晴らしい試み》《大手企業が内部留保を貯め込んで従業員には還元しないからサイボウズだけが目立っているね》などの声が相次いでいる。
「今年4月にソニー損保がファイナンシャルプランナー100人を対象に実施した調査によれば、値上げラッシュが続く中で一般的な家庭が値上げに対して何の対策も行わなかった場合の家計支出は年間で平均4万2568円増加すると予想されています。国内勤務であれば最低でも6万円支給されるインフレ特別手当は十分な額と言えるでしょうし、社員のモチベーションアップや採用にも良い影響を与えてくれそうです。今年に入り決算を発表する大企業が次々と過去最高益を記録していますから、他にもこうした特別手当を支給するところが出てくればいいのですが…」(経済ジャーナリスト)
値上げばかりに便乗せず、こうした従業員への手当にも便乗してもらいたいものだ。
(小林洋三)