当面は添乗員付きツアー客に限られるが、6月10日に外国人観光客の受け入れを再開した日本。国内では「県民割」が人気で、国も7月から観光支援事業に乗り出すのだが、その支援策の名前が何とも堅苦しい。「全国を対象とした観光需要喚起策」。国交省は「全国旅行支援」の略称を提案しているようなのだが、いずれにせよ全然キャッチーでないのだ。
これに毎日新聞がその背景を探る記事を掲載したのだが、ある政府関係者のものとして、「『ワクワク』という名称だけは使わない」という妙に断固としたコメントを紹介。となると、「そうか、アレを思い出したくないのだな」と妙に納得して思わず笑わずにはいられなくなる。
「『ワクワク』は岸田政権が4月に導入した『イベントワクワク割』のことですね。この頃はワクチンの3回目接種がなかなか進まない状況でした。そこで岸田政権では、21年いっぱいでGoToトラベルが終了していたこともあって、新たな需要喚起策も兼ねて3回目のワクチン接種をした人にはイベントを割引するワクワク割を導入しました」(全国紙記者)
だが、岸田色を出したいがためにせっかく定着していたGoToを捨てて、結果、出てきたのがあまりにダサいネーミングだったので、SNSでは「日本国民総ツッコミを期待してのネーミングだろうこれ」とネタと化してしまい、さらにはもちろん「ワクワク」は「ワクチン」の「ワク」をかけたものなのだが、この点を突かれて「ワクチンの『チン』をかけて『チンチンイベント』としなかった正当な理由がない」「なぜチンを排除したのか。チンに対して申し訳ないとは思わないのか」と、ほぼ予想できていたのだがシモの方にまで話は進んでしまい‥‥。
毎日の記事ではSNSでの「ダサい」といった声は紹介するが、シモの話などは掲載するはずもなく、さらには国交省の「名称で批判されないようシンプルにした」といった声も紹介されているのだが、おそらくは関係者全員が下ネタのことが頭の中にあったであろうことを考えると、地味な新聞記事もなんとも味わい深いものになるのだった。
(猫間滋)