クリプトン・フューチャー・メディアは6月1日、「初音ミク」などボーカロイドによって合成された歌声、および各ソフトウェアのキャラクターを使用したYouTubeへの投稿動画において、収益化することを解禁したと発表。未だに人気が衰えないボーカロイドだけに、今後はさらにYouTubeへの投稿が急増しそうだ。
「同社はこれまで、ボーカロイドについてニコニコ動画での収益化や同人利用については認めていましたが、YouTubeでの収益化については明文化されておらず、グレーゾーン扱いとなっていました。しかし、『クリエイターの皆様からの変わらぬご支持への感謝を込めまして、これを明確に解禁することといたしました』と表明。なお、収益化の対象となるのは、初音ミクの他『鏡音リン』『鏡音レン』『巡音ルカ』『MEIKO』『KAITO』となっています」(ネットライター)
初音ミクはボーカル音源ソフトとして07年8月に発売され、今年で生誕14周年を迎えるが、人気が衰えるどころか過熱していて、19年に開催された初音ミクライブツアー「マジカルミライ2019」では6日間で約5万人が来場。中国の動画配信サイト「bilibili」ではライブの模様が生配信され、投げ銭で約10億8000万円も稼ぎ出すというドル箱コンテンツなのである。
「初音ミクのYouTube収益化解禁によってボカロP(ボーカロイドで楽曲を制作し、動画を投稿する人)は急増するでしょうし、新たな才能の開花にも期待ができるのではないでしょうか。実はここ数年、ボカロP出身のプロアーティストも増えており、米津玄師、YOASOBI、ヨルシカなどがスターとなっています。今後、YouTubeへのボカロ投稿が増えてしのぎを削りあうことになれば、米津玄師以上の才能が育つ可能性も十分にあるでしょう」(ITジャーナリスト)
初音ミクのYouTube収益化解禁が、日本音楽界にも大きな影響を及ぼすのかもしれない。
(小林洋三)