5500円で自分が名付けた「列車」を運行できるって!?

 施設などの名称を購入者が自由に命名することのできるネーミングライツ。国内でもマツダスタジアム(広島)や味の素スタジアム(東京)をはじめとする野球場やサッカー場、他にも大型ホールなどの文化施設も同様で音楽イベントの殿堂として知られる渋谷公会堂も今はLINE CUBE SHIBUYAという名前だ。

 命名権料は施設の規模などによっても異なるが、大型施設になると1年で数千万円や億超えは当たり前。海外だと年間数十億円なんてケースも珍しくない。

 こうしたネーミングライツは鉄道業界にも波及。正式名称とは別に副駅名を販売している鉄道会社も多い。例えば、千葉の銚子電気鉄道には全駅にこれがあり、そのネーミングライツの売り上げが会社の大きな収益となっている。

 一方、駅名ではなく列車の命名権を販売するケースも。主に通常運行の列車に名前入りのヘッドマークをつけて走らせるというもので、金額は運行期間などにより各社で異なる。だが、なかには1日1往復分の列車ネーミングライツを格安で提供する鉄道会社もある。

 岐阜県東部の第三セクター、明知鉄道も以前から列車ネーミングライツの販売を行う鉄道会社のひとつ。しかも、1往復5500円と自分の小遣いから出せそうな破格の料金だ。

 リーズナブルな金額で提供する理由について、「ローカル鉄道を身近に感じていただくためです」と話すのは明知鉄道の広報担当者。ちなみに列車名は、公序良俗に反しない範囲であれば基本的に問題ないとのこと。

 また、希望する写真やイラストがある場合は、それらを組み合わせて列車愛称プレートに使用することもできる。さらに列車運行中は、自分が名付けた列車名で運転士が車内アナウンスもしてくれるサービス付きだ。

 ちなみにヘッドマークに付けられた列車愛称プレートは、記念に持ち帰ることも可能。鉄道ファンにはたまらないサービスだし、子供や恋人へのメッセージを愛称にするなどいろんな使い方ができるはず。

 自分だけのオリジナル列車を走らせる。想像しただけでワクワクしてきそうだ。

(高島昌俊)

ライフ