漫画家ジョージ秋山さん死去、渡哲也の“怪演”を引き出した「浮浪雲」の魅力

 漫画家のジョージ秋山さんが5月12日に死去していたことが6月1日、わかった。77歳だった。死因は公表しておらず、告別式は近親者で済ませたそうだ。

 1966年「ガイコツくん」でデビュー。哲学的なギャグ漫画と称される「デロリンマン」。人肉食などの過激な描写が問題となった「アシュラ」。極度の貧困から、殺人を繰り返して金銭と名誉をつかむ1人の青年を描いた「銭ゲバ」。幕末に東海道の宿場町「品川宿」で「夢屋」の主人ながら飄々と生きる主人公・雲の生き様を描いた「浮浪雲」。ヤクザと同棲生活を送る恋子を描いたラブコメディ「恋子の毎日」など、さまざまな作品を送り出した。

 秋山氏の訃報にネット上では「浮浪雲で初めて漫画から人生を教わりました。ご冥福をお祈りします」「アシュラとか銭ゲバとか、読者に問題提起するような作品が多かったような気がする。渡哲也さんの演じた浮浪雲をもう一度見たくなった」「浮浪雲、大好きです。ジョージ秋山先生、素敵な作品をありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします」など、感謝と死を悼むコメントが多数寄せられた。

「渡哲也さん主演でドラマ化された『浮浪雲』(1978年放送)。強面の刑事役を演じる機会が多かった渡さんが、町娘にタッチしたり、声かけをしたりする姿は衝撃的でした。過激な描写や殺戮を扱う作品もありましたが、秋山氏の作品に共通するのは“人生哲学”だと思います。人間の持つ悪や慈愛など、あらゆる感情を描き出していました」(芸能ジャーナリスト)

 44年の間「浮浪雲」を連載していた小学館の「ビッグコミックオリジナル」のHPによると、次回作を構想中だったそうだ。

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