物価の優等生と言われてきた卵がエッグショックの影響によって価格が高騰し、卸売価格は統計を公表している1993年以降で最高値を記録した。そんな中、植物性の「代替たまご」が全国のスーパーなどで発売され注目を集めている。代替たまごは高騰する卵の救世主となるのだろうか?
4月4日に発売されたのは、植物性食品を手掛ける「2foods」と大手食品メーカー「カゴメ」が共同開発した代替たまご「エバーエッグ」。植物性由来の代替食品として一般的な大豆は使用せず、ニンジンや白インゲン豆を原料に使い、スクランブルエッグのようなトロッとした食感が特徴となっている。同商品は2022年に冷凍タイプが販売されていたが、1年間保管可能な常温タイプが加わり全国発売された。
現在、卵は鳥インフルエンザの感染拡大や飼料価格の値上がりなどによって、去年の1月から2倍以上も価格が高騰している。一部スーパーでは買い控えによって売上数が減少しているというが、代替えたまごは本当に卵の代替品となるのだろうか?
「卵が高くて買えないから代わりに代替たまごを買うという流れには、まだならないかもしれません。2foodsの公式オンラインショップで販売されているエバーエッグは、1袋130gの5個セットが2400円で販売されていますから、130gあたり480円。卵のMサイズは1個が約60gで10個入りが400円はしませんから、まだまだ代替たまごの方が高いのが実情です。代替といっても、ビーガンや信仰する宗教で卵が食べられない人が食べるのがメインになるのではないでしょうか。今後、研究が進んでさらに安く提供できるようになれば卵の代わりに購入する人も増えるかもしれませんが」(フードジャーナリスト)
代替たまごは新たな卵の選択肢のひとつになるのだろうか。
(小林洋三)