9月14日「メンズバレンタインデー」で「性ハラ」が問題視されたのはナゼ?

 1年365日、毎日が何かしらの記念日になっているが、本日9月14日は「メンズバレンタインデー」。日本ボディファッション協会が91年に制定した記念日で、今回初めて聞いたという方も多いだろう。それもそのはずで00年代初頭を最後に普及活動やイベントなども一切行われておらず、現在は協会ホームページにも記念日に関する情報はない。

 実質10年で消えてしまった理由には、メンズバレンタインデーで広めようとした“ある習慣”がネックになったと言われている。それは「男性が女性にアンダーウエアを贈って愛を告白する」というもの。そもそも同協会は、国内の婦人用インナーウエアメーカーの業界団体。肌着の販売促進のために制定された記念日だったからだ。

「自分の妻や恋人ならともかく、それ以外の女性にアンダーウエアを贈るのは、今であれば完全に性的ハラスメント扱いです。愛を告白したところでOKは貰えるのはマレでしょう(笑)。制定されたのはバブルの時期でまだそういうノリが許されたのかもしれませんが、89年の流行語大賞の新語部門で『セクシャルハラスメント』が金賞を受賞し、90年代になって一気に社会問題化。社会情勢が変化する中で時代にそぐわなくなったのでしょう」(女性誌編集者)

 当時はまだネット通販もなく、男性が専門ショップでアンダーウエアを買うのは相当勇気が要ること。筆者は若手ライター時代、グラビア撮影で使用するインナーの買い出しによく行かされたが、店内ではいつも女性客から不審者を見るような厳しい視線を向けられたものだ。その経験を踏まえて言わせてもらえば、ハラスメントの問題を抜きにしてもハードルは高い。

「相手がパートナーでも避けたほうがいい場合があります。試着しないとサイズが合わなかったり、つけ心地が悪いことがあるので、特にバストウエアは店頭購入派の女性が多いんです。返品するにしても衛生商品のため、応じてくれない業者もいるので注意が必要です」(同)

 贈るなら無難に別のモノにしたほうがよさそうだ。

(トシタカマサ)

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