2021年は、マスコミにプライベートなどを明かされて反旗を翻す芸能人が続出した。怒りをぶつけるのがいいのか、黙ってスルーしたほうが得なのか。
女優の戸田恵梨香と水川あさみは10月27日、それぞれインスタグラムでマスコミ報道を批判。戸田は「どれだけの人を巻き込んだら気が済むのだろう」「嘘をつき続けて苦しくはありませんか?」などと、自身への報道に対する怒りを爆発させた。一方、水川も「芸能人が嘘をつくと怒られるのに週刊誌が嘘をつくと怒られないのはなぜですか?」と手厳しい。一部週刊誌などが、戸田が体調不良によって映画やドラマの主演作を降板したことや、親交の深い水川と距離ができたと報じたことが、背景にあったとみられている。
シンガー・ソングライターで俳優の福山雅治は、7月10日放送のラジオ番組「福山雅治 福のラジオ」(TOKYO FM)で、写真週刊誌に子供の写真を掲載されたことについて苦言を呈した。福山は2015年に女優の吹石一恵と結婚、翌16年12月に第1子の誕生を発表している。子供の顔にモザイクがかかっていたが、「子供の写真を撮られ、それが掲載され、かつ販売物となって世の中に出ていくことに黙っていることはできない」と怒りをあらわにし、「幼稚園に通って毎日通る場所で、全然知らない人が写真を撮っている。さまざまな方が子供の顔を知っていて、(画像)データを持っているって、とても怖いこと」と恐怖心を吐露。現在の報道については「守られるべきものが守られていない。一線どころか、随分越えている」と非難した。
俳優の賀来賢人の怒りも相当なものだった。5月3日更新のインスタグラムで一部週刊誌の名前を挙げ、子供の写真を撮って掲載することに対し「例えモザイクをつけたとしても、載せた場合、私は本当に怒ります」と抗議した。賀来は16年8月、女優の榮倉奈々と結婚。17年6月に第1子が誕生し、今年2月に榮倉の所属事務所を通じて第2子の出産を報告している。
「芸能人のマスコミ批判については賛否両論あります。『よくぞ反論した』という声もあれば、報道されることは宣伝にもなり、またマスコミとの関係を良好に保つためにも、大人の対応をとるべきだという意見もあります。メディアから見れば、芸能人の都合の良いことだけでなく、都合の悪いことも報道するという公平なスタンスを取っています。ただし、家族の写真の掲載についてはメディアも慎重になっており、こうした抗議の声が、今後の抑止力につながっているところは正直ありますね」(芸能記者)
プライベートを明かされても、単に〝有名税〟と割り切れなくなった芸能人が増えてきたということだろう。
(石田英明)