この時期、1日の最高気温ですら氷点下を下回る北海道。なかでも〝日本一寒い町〟として知られるのが道東の内陸部にある陸別町。昨シーズンの12〜2月の平均最低気温はマイナス18.8℃で全国1位を記録している。
あまりの寒さに呼吸するだけでも鼻やノドが痛くなるほどで、同町の中心部にあるのが「陸別神社」。寺社マニアの間では〝日本一寒い神社〟として知る人ぞ知る存在だ。
国内でもここだけの「しばれ守」という大変珍しいお守りを授かることができ、初詣シーズンや毎年2月上旬に行われる「しばれフェスティバル」の期間中は全国から多くの人が訪れる。筆者も数年前の冬、極寒の陸別神社を訪問。寺社の参拝であんなに寒い思いをしたのは、後にも先にもここだけだ。
神社は市街地を見下ろす高台に位置し、本殿までは50段以上の階段を登らなければならない。人口は2300人に満たない小さな町だが、それにしてはかなり立派。
ただし、訪れた1月某日は晴れていたものの、気温はマイナス10℃以下。階段はツルツルで滑りやすく、手すりがなければおそらく何回かは転んでいただろう。
ちなみに祭神は天照皇大神。この神様は、国土安泰や開運、五穀豊穣などあらゆるものにご利益があり、これらと並んで勝負事にも滅法強く「勝運」にも効果があることで有名。受験やスポーツの試合などはもちろん、競馬やパチンコ、宝くじにもご利益が期待できるかもしれない。
そんな陸別神社では御朱印の記帳も可能。僻遠にあるため収集家の間ではかなりレアな代物らしく、これを目当てに訪れる人もいるそうだ。
アクセスはお世辞にもいいとは言えず、今の季節はスキー場に行くような服装が必須。それでも日本に居ながらにしてシベリアやアラスカのような寒さが体感できるのは貴重。想像するだけでも凍えてしまいそうだが、その分ご利益はあるかもしれない。
(高島昌俊)