「みんなわすれないで」ペコちゃん“泣ける閉店メッセージ”と事業縮小のワケ

 静岡県三島市の「不二家」三島ステーション店の店頭に掲示された“ペコちゃん”からのメッセージが切なすぎるとツイッター上で大きな話題となっている。そのメッセージは、「今日も頑張ってるみんなへ」からはじまり、次のように続いている。

「37年間、毎日毎日みんなの頑張るすがたをここで見守ってきたけど、お別れの時がやって来ちゃった。ペコが来た時、子供だったみんなももう立派な大人になって、ペコの身長を追い抜いていったもんね。本当はもっとみんなと一緒にいたかったけど‥‥ ずっ〜と一緒にいてくれた店長もだいぶ歳をとったしね(笑)。私たち『頑張ったよね!ゆっくり休もー』って言っちゃった。ペコはおうちにかえります。でも、ペコがここ三島駅にいた事みんなわすれないでほしいな」(一部抜粋)

 同店は1983年11月にオープンし、これまで営業を続けてきたフランチャイズ店だが、惜しまれつつも8月20日に閉店することが決まっている。実は今、全国各地で不二家の閉店が相次いでおり、それとともに街角からペコちゃん人形が次々と姿を消しているのである。

「7月29日に不二家が発表した2020年1〜6月までの連結決算では、純損益が1億円の黒字予想から1億7100万円の赤字に転落しています。これはコロナの影響が大きいのですが、実は不二家は、『カントリーマアム』や『ホームパイ』といった人気商品を製造する製菓事業は好調な半面、洋菓子販売とレストラン事業は長きにわたって赤字が続いているのです。他の洋菓子店と同じくコンビニスイーツの登場によって売上が減少していることが原因と考えられ、そこにコロナが重なったために閉店する店舗が増えているのです」(経済ジャーナリスト)

 不二家の店舗販売事業は縮小を余儀なくされている。今後も様々な店舗でペコちゃんからの悲しいメッセージが掲示されるかもしれない。

(小林洋三)

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