「新宿スワン」の世界が現実に!?「スカウト狩り」暴行動画を専門家が読み解く

《これはもう「新宿スワン」の乱闘シーンが現実で起きているようだ》《こんな恐ろしい動画、よく撮影できたな…》《スカウト狩りっていったい何? 何が起きたのかさっぱりわからんけど、この動画はインパクトがデカすぎる》といった声がネット上にあがり始めたのは6月7日頃のことだった。

 問題の動画は、すでに編集が施されたうえでYouTubeなどの動画サイトにアップされていた。その映像には、複数のいかつい男たちが一人の男性を取り囲み、その頭部にパンチを繰り出す瞬間が収められていた。また、ビルの上階から撮影されたと思しき別の動画では、繁華街の通りを約20人の男が埋め尽くし、何者かを探すような行動を見せていた。

 この「スカウト狩り」と題された動画は何を意味しているのか。アウトロー社会研究の専門家として知られるノンフィクション作家の影野臣直氏はこう語る。

「まだはっきりと断定はできませんが、スカウト会社がヤクザを怒らせたのが原因だと言われています。かつて新宿で活動するスカウトマンといえば、『この通りのここからここまで』『スカウトするのは何時から何時まで』と細かいルールを守ってスカウト活動をしていました。トラブルを避けるためにも、引き抜き行為などはご法度。それが最近では、そうしたルールを守れないスカウトマンが跋扈していたそうですからね。“夜の街の番人”でもあるヤクザが落とし前をつけようとした、と見るのが妥当ではないでしょうか」

 いったいヤクザの標的になったとされるスカウトマンは何をしたのか。前出の影野氏によれば、「私が聞いた話では、あるスカウトマンがスカウトを試みた女性に無視され、頭に血がのぼって、その女性を持っていた傘で刺したのがトラブルのきっかけのようです。また、このスカウトマンが所属する“会社”については、それまでにも強引な引き抜き行為が問題になっていた模様。そして問題収束のために設けられた席においても重大なトラブルが発生し、大勢のヤクザが“スカウト狩り”に動いたというのが大まかな流れだと聞いています」

 近年は暴排条例の施行に代表されるように、当局の締めつけはかなり厳しくなっている。過去にはこうした「暴行動画」によって、検挙にいたったケースもあり、“加害者”とされるヤクザ側にとしては、拡散されることを好ましく思っていないのではないだろうか。

「暴行および傷害事件において、一般人と比べて、ヤクザに重罰が科されるのは承知の上ではないでしょうか。この動画には、組織の力を知らしめるという示威行為という側面もあります。『オレたちを怒らせたらこうなるぞ』と、絶対的な力をアピールしたという意味では、ある程度の効果があったのではないでしょうか。いずれにしても、一般女性たちを泣かせるような犯罪的行為が、今後二度と起きないことを祈るばかりです」(前出・影野氏)

 コロナ禍において、クラスターのリスクが指摘される「夜の街」だが、そこで遊ぶにはさまざまな危険が伴うことを頭に入れておくべきかもしれない。

(編集部)

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