神戸「須磨水族園」民営化後の入場料爆上げに地元は大反発!

 11月22日、神戸市民から“スマスイ”の愛称で親しまれる「須磨海浜水族園」をめぐり、市民団体「須磨水族園を考える会」が、市民ら7031名分の署名を神戸市長の久元喜造氏に提出した。
 
 須磨海浜水族園は5年後のリニューアルオープンに伴い、入園料が現在の倍以上になることが予定されており、市民から「あまりにも高すぎる!」と不満の声が上がっているのだ。いったい何が起こっているのか。
 
「神戸市が所有するスマスイは1957年のオープンから60年以上が経過し、87年には一度全面改装をおこなったものの老朽化が進んでおり、建物の全面建て替えが必要となっていました。しかし、市で新たに整備をするとなると数百億円規模の財政負担が掛かるなど問題点が多いため民営化する方針を明らかにし、今年9月には7社からなる共同事業体が優先交渉権を獲得したと発表していたのです」(社会部記者)

 新たに生まれ変わるスマスイでは、水族館だけではなく周辺にホテルが建設されるなど約370億円をかけた大型リゾートを目指しているといい、それにともない15〜17歳=800円、18歳以上=1300円だった入園料が高校生以上が3100円となり、幼児=無料、小中学生=800円だったのが一律で1800円に大幅値上げされる予定。例えば、値上げ後に夫婦と子供2人の家族が訪れた場合、入園料だけで約1万円となり、値段の高さから「気軽に利用できなくなってしまう」と懸念されているのだ。

「スマスイの値上げが実施された場合、入園料金としては近畿一高い水族館になると見られています。ただし、新しいスマスイは水族館以外も併設した複合施設になる方針ですので、3100円が必ずしも高いとは現時点では言い切れません。たとえば、和歌山県にある『アドベンチャーワールド』は大人入園料が4500円となっていますが、水族館の他に動物園やアトラクションも備えていて、年々入場者数を増やしています。ですから、スマスイを運営する予定の民間の共同事業体は、今後の事業計画を具体的に説明し、市民の理解を得ていく必要があるのではないでしょうか」(経済ジャーナリスト)

 しかし、市民が気軽に利用できる施設でなくなってしまうことは間違いないだろう。

(小林洋三)

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