「スガキヤ」苦境で店舗減でも“値上げ”できない業界裏事情

 愛知県名古屋市を中心に展開するラーメンチェーン「スガキヤ」は、かねてから大量閉店を進めていると報じられていたが、10月23日にNHKが、 同チェーンが9月末までに全体のおよそ1割に当たる36店舗を閉店、327店舗にまで縮小したことを明らかにした。
 
「豚骨魚介ベースの独特な味わいのラーメンが一杯330円という安さで食べられることから、“名古屋のソウルフード”と言われるほど人気で、地元民から愛されてきました。しかし、材料費、光熱費の高騰に加え、人件費高騰による人手不足から、不採算店を閉鎖して採算性の高い店舗に人材を集中させることを選択したとのことです」(タウン誌記者)

「スガキヤ」の大量閉店に地元民からは、《子供の頃から親しんできた味を食べられる店が減るのは悲しい》《ラーメン330円は安すぎるから、もっと値上げしてくれても構わない》など悲痛な叫びが聞こえてくる。しかし、「スガキヤ」には、値上げができない“理由”があるという。

「すでに『スガキヤ』は10月から17種類のメニューを10〜30円値上げし、客の2割が注文する定番メニューのラーメンも320円から330円にアップしています。ただし、これは消費増税に伴う値上げであり、収益に影響はほとんどないと言っていいでしょう。ならば、店舗を大量閉鎖せず人件費確保のためにも、もっと値上げすればいいのではないかという意見が出るのは当然だと思いますが、そうもいかない。同じ激安ラーメンチェーンの『幸楽苑』が15年に看板商品だった290円の中華そばを終了させ、高価格のラーメンを投入したことで客離れが起き、また同じく『日高屋』でも18年に値上げを敢行したことで客離れが起こったという前例があることから、おいそれとは値上げ出来ないのです。さらに『スガキヤ』は9月5日から販売していたラーメン一杯200円で食べられる『スガキヤラーメンチケット』が好評で完売しているため、このタイミングでの値上げとなれば、客が減ることは目に見えているわけです」(飲食店コンサルタント)

 庶民の味方だけに、何とか踏ん張ってほしいものだ。
 
 (小林洋三)

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