「ふるさと納税」返礼品トラブルの続発を呼ぶ致命的な原因とは?

 ふるさと納税の返礼品として届いた「宮崎県産黒毛和牛薄切り」が“ほとんど脂身”だったというツイートが話題になり、納税先である宮崎県美郷町と対象業者が謝罪に追い込まれる事態となったが、ネット上では怒りの声が収まらない。
 
「10月5日にツイッターのとあるユーザーが、『宮崎県美郷町にふるさと納税した返礼品で宮崎県産黒毛和牛薄切りが来たのですが、ほとんど脂身の物が送られてきました』と脂身肉の画像とともにつぶやいたことで、問題が発覚しました。これを受け7日には美郷町が『ふるさと納税返礼品としてふさわしくない品質のものをお届けし、誠に申し訳ありませんでした』と謝罪。返礼品を送った委託会社の社長は作業工程で『肉をパックに詰める担当者が不在だった』と説明し、チェック体制が不十分だったために脂身肉を誤って発送してしまったと、こちらも謝罪に至ったのです」(社会部記者)

 これに《この肉が焼肉屋で出てきたら暴れるレベル》《そもそも黒毛和牛かも怪しくなってくる》《パック詰めの担当が不在だと脂身を入れちゃうってどういう状況なの?》《ふるさと納税の返礼品はひどいところはひどいからな》など、批判の声が殺到しているのだが、実は、この騒動と並行して鹿児島県いちき串木野市のふるさと納税の返礼品「黒毛和牛」でも、寄付者から“ほとんどが脂身だった”とする苦情が100件以上寄せられていたことが発覚。

 ネット上にも《送られてきた農産物の返礼品の半分以上が傷んでいた》《A5ランクと謳っていたステーキがかたすぎて食べられない》など多くの訴えがあがり、いちき串木野市も謝罪する事態となっている。
 
「こうしたトラブルが起こる背景としては、自治体によっては返礼品を扱う業者を選定する際にしっかりと審査を行っていないこと、返礼品に対してもチェックを行っていないことなどが挙げられます。そのため、粗悪品が届くどころか、返礼品自体が届かないというトラブルも続発しているのです。納税額に対してあまりにも豪華な返礼品などには、十分に注意した方がいいと思います」(経済ジャーナリスト)

 この調子では、今後もこうした返礼品トラブルは続々発覚しそうだ。

(小林洋三)

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