巨人・原監督が「優勝」でも大型補強を画策するワケ

 優勝しても、広島戦だけは負け越し…。今オフの主役も原巨人ということになりそうだ。

 セ・リーグのマジックナンバーが早くも点灯したが、巨人は5年ぶりのリーグ優勝を心底から喜べそうにない。広島との対戦成績は8勝13敗1分け(8月28日時点)。負け越しが決まり、対広島の負け越しは2015年以降、5年連続となる。
 
「優勝カウントダウンが始まろうとしているチームとは思えないほど、深刻に受け止めています。昨季セ・リーグMVPに輝いた丸佳浩を引き抜き、侍ジャパンの担当スコアラーだった志田宗大氏も引き入れ、今年から広島専属の担当としました。それでも勝ち越せないとなると、原監督は根本的なチームの見直しをしなければなりません」(ベテラン記者)

 マジックナンバーのカウントダウンと同時に囁かれているのが、2年連続での大型補強だ。総額36億円強と言われた昨年オフを上回る補強劇も予想されている。

「いや、巨人は支配下登録が終了する7月末の直前、育成選手だった堀岡隼人投手を昇格させました。FA補強に乗り出したら、プロテクトしなければならない若手選手の人数が増えることになります。堀岡、加藤脩平、山下航汰らの育成選手を支配下登録したということは、『今オフはFA市場に手を出さない』という意味も含まれ、少なくとも国内FA権を取得した選手のいる他球団はそう捉えていました」(球界関係者)

 今オフのFA市場は広島の會沢、今村、野村、菊池、ヤクルトのバレンティンなど。広島勢に照準を絞り、戦力ダウンを狙う方法も考えられるが、伸び盛りの若手をプロテクトすれば、主力級の流出も覚悟しなければならない。

「原巨人は坂本、阿部、丸、菅野以外は放出要員という態勢になるかもしれません。プロテクト名簿作りに備え、今は主力選手の現状を見極めているのでは」(前出・ベテラン記者)

 もっとも、新天地で実力を発揮できずにいる内海、長野の「帰還FA宣言」も考えられる。彼らはFA権を持っているが、行使しないままだ。内海を獲った西武、長野を獲った広島もその際は引き止めないと思われる。

 5年連続で広島戦に負け越し。苦手意識を強めた巨人のオフは、慌ただしいものになりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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