ヤマダホールディングスが7月1日より、ヤマダデンキの男性トイレの個室にサニタリーボックスの設置を順次行っていくことを発表した。尿漏れパッドや大人用おむつの廃棄場所として想定されている他、男性トイレを利用するトランスジェンダーへの配慮という見方もある。年内までの全店舗設置を目指すとしており、SNS上では《素晴らしい動き》《全国のトイレに広まってほしい》と称賛の声があがっている。
同様の対応の広がりは民間企業だけに留まらない。神奈川県の黒岩祐治知事は20日の県議会で、県施設の男性用トイレの個室にサニタリーボックスを速やかに設置する方針を明らかにした。TwitterなどのSNSでは連日関連するワードがトレンド入りを果たしており、サニタリーボックスを必要としている当事者以外の人からも関心を集めている事が分かる。
普及を求める声は芸能界からも聞かれていた。膀胱がんにより、膀胱を全摘出した小倉智昭アナは、昨年出演したYouTube番組の中でサニタリーボックスの必要性を力説していた。
現在、代用膀胱による排泄を行っているという小倉アナは、2時間おきにトイレに行き、尿漏れパッドもこまめに交換をしなくてはならないという。小倉アナは番組の中で「実感として分かったのが、男性用トイレは汚物入れがないんです。女性用のトイレは生理用品をしてるから汚物入れがあるんですけど、男性のトイレにはそれがないから、交換した後のその捨てるのがね、困っちゃったりするケースもあるんですよ。今特に爆発物とかの問題でゴミ箱も少なくなってきてて、燃えるゴミでいいんですけど、ただそこに捨てるのがどうしても嫌で、汚物入れがない場合は持って帰ってくるっていうことになるじゃない。それはね、実際にそういう経験した人じゃないと分かんない。前立腺がんの方とかも皆さん同じような悩みを持ってるんだと思うんだ。ただなんかそれを声高に言えないところがあるからさ…」と、男性トイレの個室にサニタリーボックスが無いことを嘆いて、設置を切望していた。
諸事情でサニタリーボックスを必要としている男性達のためにも、普及が迅速に進むことを願う。
(浜野ふみ)