12年ぶりのセの勝ち越しや11年ぶりオリックスの優勝など、例年とは様変わりしたセ・パ交流戦は、今後のペナントレースに変化をもたらしそうだ。冷や飯を食らわされた常勝軍団のそこかしこに暗い影がチラつき始めた。決して見過ごすワケにはいかない、アンタッチャブルな内情を一挙大放出しよう。
交流戦はセ・リーグBクラスのDeNAと中日がそれぞれ3位、4位と大躍進。それでも長く球界に定着した「パ高セ低」の常識が覆らないのは、球界の盟主・巨人が3年ぶりに負け越し、あまりにもピリッとしないからだろう。中でもエース・菅野智之(31)は、開幕から続くコンディション不良から抜け出せずにいる。
「右ヒジの不調は、原辰徳監督(62)が肝いりで入閣させた桑田真澄投手チーフコーチ補佐(53)が取り組ませ、シーズン前から習得に励んで持ち球にした〝桑田カーブ〟の弊害と言われます」(巨人番記者)
右ヒジ違和感から復帰した6月6日の日本ハム戦こそ5回2失点でやり過ごしたが、交流戦勝ち越しをかけた13日のロッテ戦では2回3分の2で4失点KO。16日には、再調整のために出場選手登録を抹消された。先の巨人番記者がこう指摘する。
「初回から2者連続で四球を出して失点する散々な立ち上がりに加えて、直球は140キロ前半をさまよう体たらく。どうやら、右ヒジの違和感が治らないうちに投げさせてしまったようです。当初は一度ファームで試運転して、万全を期した状態で13日に登板させる計画でした。それをチームの投壊に業を煮やした原監督が待てずに、1週間早めてしまったんです」
その結果、交流戦明けの阪神との首位攻防戦をエース不在で戦うハメに‥‥。
しかも、この拙速な復帰劇を飲む代わりに、エースは監督に交換条件を突きつけていたというのだ。事情を知る球界関係者が内幕を明かす。
「菅野は、同時に小林誠司(32)も1軍に上げるよう要求したそうです。パ球団とのトレード交渉が水面下で進む小林はいわば構想外の選手ですが、結果的に昇格して〝見本市〟となった。とはいえ、決定権のない一選手が口を挟むべきことではありません」
それでも〝越権行為〟の大暴走を許したのはなぜか。どうやら原監督にその要求を無下にできない事情があったようで、
「昨オフに菅野のメジャー移籍を最後まで引き留めて断念させたのは原監督本人です。結果として今季不調に陥った菅野は、メジャーへの売り時を逃すことになった。甥の夢を断念させた負い目が、一時のいびつな捕手4人体制につながったようです」(球界関係者)
あえて小林を〝正妻〟に指名する事情も悩ましかった。
「リード面の相性や強肩以上に、同学年の話し相手が欲しかったそうです。そもそも菅野はマスコミを通じて名指しで苦言を呈すので、後輩から敬遠されています。同じ東海大出身の後輩である中川皓太(27)や大城卓三(28)からも避けられるほどひとりぼっちなんです。このままでは、小林をトレードに出して中継ぎ投手を獲得するプランも頓挫しそうです」(巨人番記者)
崩壊中のリリーフ補充よりも〝お友達〟を優先する孤高のエースと、許す伯父監督。相次ぐ主力の故障や助っ人の退団も重なり、リーグ3連覇に暗雲が漂っている。