酒場で賭け事?ミクシィとHUBの業務提携はブックメーカー事業への布石か

 スマホゲームのモンスト(モンスターストライク)でお馴染みのミクシィが、英国風パブの「HUB」を展開するハブと業務提携を行うと3月22日に発表。さらにはミクシィが他社と共同で立ち上げたファンドがハブに15.5億円の出資を行うことから(持株比率20%)、ネットでは「英国風酒場でお酒を飲みながらギャンブル」と話題になっている。

 イギリスではブックメーカーが「賭け屋」として存在し、競馬にとどまらずスポーツやあらゆる事象までも賭博の対象にして楽しむことが許されている。だからサッカーが盛んなイギリスではパブがスポーツバーでもあって、店内にはサッカー・イングランドリーグのプレミアリーグの試合模様が放映される。そして英国のパブを真似る日本のハブでも店内では国内外のサッカーの試合が映され、お酒を飲みながら観戦を楽しむことが出来る。

 一方のミクシィは、モンスト頼みの経営から脱却しようと2018年からスポーツ事業を立ち上げ、収益の第2の柱にしようと事業を拡大中だ。

「だから共にスポーツを事業をウリにする同志として、ミクシィの持つオンラインとハブの持つオフラインのネットワークでの『シナジーを創出』するとしています。確かに、ミクシィではバスケのBリーグの千葉ジェッツ、サッカーJリーグのFC東京、プロ野球のヤクルトスワローズのサポートを行っているので、具体的にこれらのチームのバックアップにも役立ちそうです」(経済ジャーナリスト)

 だがしかし、世間はそればかりとは見ていない。というのも、ミクシィのスポーツ事業の売上の多くは公営競技の競輪で成り立っているからだ。

「同社では19年に競輪のネット投票会社を買収して、今では投票券の購入や試合中継を楽しめるアプリを手掛けています。さらに昨年2月には、岡山県玉野市の玉野競輪場の建て替え事業を応札、ついでにホテル併設の競輪リゾートの開発に乗り出すなど、公営ギャンブルにかなり力を入れています」(前出・ジャーナリスト)

 だからハブと提携するとなれば当然、賭博も含めた英国風パブの光景がイメージされるわけだ。さらに長期的な展望に立てば、将来的なスポーツベッティングの解禁を視野に入れた行動と受け取ることも可能だ。

「もともと賭博とIT起業は相性が良く、ネットでの投票権の販売が解禁されるとIT企業が続々と参入、試合の配信でも市場を広げてきた経緯があります。だから楽天の三木谷社長が主導する、ネットやベンチャー企業を中心とした経済団体の新経済連盟では、競馬や競輪に限らないスポーツ全般への賭け事の拡大、つまりスポーツベッティングの解禁を提唱しています」(ギャンブル事情に詳しい週刊誌記者)

 コロナで飲食店が苦しい中、700円ほどだったハブの株価は一気に900円近くまで上がった。その後はまた急激に下げていて、いずれにせよシナジーを発揮するのもコロナ以後ということか。

(猫間滋)

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