三浦大輔監督に秘策はあるのか? 本拠地・横浜スタジアムでのオリックスとのオープン戦3連戦後、三浦監督は質問攻めに遭った。
「開幕投手は誰? もう決めたのか」
報道陣が関心を寄せる理由は簡単だ。開幕投手の予想すら立てられなくなったからだ。
「3月26日のペナントレース開幕戦まで、開幕投手が誰なのか、この3連戦で全く見えなくなってしまいました」(スポーツ紙記者)
DeNAはまだ開幕投手を発表していない。26日の開幕戦から逆算すると、開幕投手は登板間隔を逆算して投げさせなければならない。なのに、三浦監督はこの3連戦で上茶谷、大貫、平良、濱口など先発ローテーション入りが確実な5投手を全て投入している。
つまり、メディアは「開幕日から逆算して」という予想ができなくなり、三浦監督にその質問をぶつけたのだ。「絞り込んではいる」と返したが、三浦監督はニンマリ。予告先発制なのでいずれは発表しなければならないが、ギリギリまで伏せておくつもりなのだろう。
「本拠地でのオープン戦3連戦の翌3月8日、DeNAの三原一晃球団代表が『入国にメドが立っていないのが現状。開幕には、10人は間に合わないことが濃厚』とコメントしました。10人とは、育成を含む全外国人選手のことです」(ベテラン記者)
先発枠を託すはずだった2年目のピープルズ、先発・リリーフの両方が可能なロメロ、勝利の方程式の一角をなすエスコバー、クリーンアップを託すソト、オースティンもいない。育成契約の5選手も同様で、「外国人選手がゼロ」でペナントレース突入となれば、DeNAは大きなハンディを背負うことになる。
前向きな言い方をすれば、若手にとってはチャンス到来。だが、開幕投手の予想を立てにくくさせたのは、助っ人の来日遅延にも理由がありそうだ。
「他球団も戦力として期待していた外国人選手の来日が遅れています。でも、DeNAのゼロはひどすぎる…。NPBは政府に入国審査を緩和するよう要請を出していますが、色よい返事は今のところありません」(前出・ベテラン記者)
三浦監督は現役時代に172勝を挙げ、1999年から7度にわたって開幕投手を務めた。だが、その戦績は全敗という不本意な記録を残している。指揮官として初めて迎えるペナントでは、どうにかして開幕投手に勝ち星をつけたいはず。いまだ開幕投手が決まらないのは、強すぎる勝利へのこだわりか、それとも秘策があるのか。開幕前の駆け引きからも目が離せない。
(スポーツライター・飯山満)