100店舗から5店舗に…「東京チカラめし」を閉店ラッシュに追い込んだ要因は?

 2011年6月に誕生した牛丼チェーン「東京チカラめし」の第1号店である池袋西口店が10月30日をもって閉店することが明らかとなった。焼き牛丼を武器に一時は100店舗以上を展開していたが、池袋西口店の閉店により残り5店舗となる。同チェーンが急速に衰退した理由はどこにあるのだろうか。

「東京チカラめし」は、居酒屋「東方見聞録」や「月の雫」を手掛ける三光マーケティングフーズが運営。1号店オープン時には、牛肉を“焼く”という新しい牛丼のスタイルが大きな話題となり、「吉野家」「すき家」「松屋」の牛丼御三家にどれだけ食い込めるか注目が集まった。一部店舗では焼き牛丼を290円という破格の安さで提供していたこともあって、大きな話題となった。

 運営会社も「東京チカラめし」を事業の柱に据え、1号店のオープンから5カ月後には「2012年6月末までに100店を超え、2012年には年間300店を開店させる。チカラめしのみで1000店舗以上展開する」と高らかに宣言。実際、12年9月にオープンした世田谷の梅ヶ丘店で累計100店舗を達成したのだが、その直後あたりから閉店する店舗も目立ち始めていた。

「三光マーケティングフーズは『東京チカラめし』が業績不振に陥った理由を、輸入牛肉の値上がりと人員不足と説明していましたが、実際には店舗の急拡大によってスタッフの教育が追いつかなかったのが原因でしょう。他の牛丼チェーンは煮込んだ牛肉を盛るだけですけが、同店では具の味を左右する“焼く”という工程があります。そのため、しっかりと教育がなされていないスタッフが作ったものにはどうしてもムラができたり、提供までに時間がかかるという事態に陥りがちになる。そんななか、次第に利用客からは不満の声が大きくなっていたようです」(グルメライター)

 また、こんな原因も指摘されている。

「繁華街を中心に出店していた影響もあるでしょう。繁華街は家賃が高いことから大きな店舗スペースは確保できず、とにかく回転率が重視されます。しかし、焼き牛丼は他の牛丼と比べても一手間多いため、ピークタイムに回転率を上げられなかった。そのため1号店をはじめ、駅前などの好立地での閉店ラッシュがよけいに目立つ形となってしまった。郊外を中心に出店していれば、のんびりと家族で楽しむ客の利用も増えたとは思いますが…」(経営コンサルタント)

 残り5店舗となった東京チカラめし。今後、巻き返すことができるのだろうか。

(小林洋三)

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