ヤマダ電機が銀行サービス提供、銀行免許がなくても“開業”できるカラクリ

 これまで家具業界や電気自動車業界など、M&Aによる積極的な異業種参入を果たしてきた家電販売大手のヤマダ電機だが、今度は銀行業に乗り出すという。10月26日、具体的な時期については未定ながら、個人向け銀行サービスの提供を行うと発表した。

 サービス内容は以下の通り。

・情報家電購入者向けの銀行サービス

・新築住宅購入者向けの住宅ローン

・銀行サービス利用時のヤマダポイント付与

・新たな融資商品の提供

「家電の販売とポイントはもともとの得意分野ですし、ヤマダ電機では2011年にエス・バイ・エルをM&Aで子会社化してから注文住宅事業に進出、さらには住宅関係の金融事業も行ってきたので、これまで培ってきた自社の強みを活かしつつ、さらに新たな銀行サービスの提供で顧客を囲い込むのが狙いでしょう」(経済ジャーナリスト)

 とはいえ、ヤマダ電機が銀行免許を取得して新たな銀行を設立するというのではない。銀行機能は住信SBIネット銀行から提供を受けて、これを利用するという形。住信SBIは「NEOBANK」というサービス名で、これまでにも銀行機能を外部の提携先に提供してきた。提携先には、日本航空、旭化成ホームズ、リクルートゼクシィなどがある。

 住信SBIがこのサービスを「NEOBANK」と呼んでいるように、このような銀行業務のライセンスを持たない企業が既存の銀行と提携してオンライン上での金融サービスを提供する形をネオバンクと呼び、取り組む企業が増えている。住信SBI以外でも、新生銀行などがサービスの提供を行っている。

 一方で、FinTechと結びつけて新たに銀行を立ち上げる「チャレンジャーバンク」という動きも活発化している。

「チャレンジャーバンクは銀行業務ライセンスを取得し、既存銀行と同様の銀行サービスをモバイルアプリ上で提供します。特にFinTech企業が元気なヨーロッパや東アジアで増えています。有名どころでは、Revolt、Monzo、N26、Chimeなど。国内では、『LINE Bank』、KDDIと三菱東京銀行が組んだ『auじぶん銀行』、FinTechスタートアップの『Kyash』があります」(前出・経済ジャーナリスト)

 先日、みずほ銀行が週休4日制導入の方針を発表して話題になったが、銀行業界は確実に変わりつつあり、こうした新たな銀行の形態も業界を大きく変えていくことは間違いないだろう。

(猫間滋)

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