楽天モバイルは5月27日、同社の回線プラン「Rakuten UN-LIMIT」を新規契約したユーザーに自社製のスマートフォン「Rakuten Mini」を1円で販売するキャンペーンを開始した。「Rakuten UN-LIMIT」は先着300万人限定で1年間無料キャンペーンを行っており、1年以内の解約でも解約金はかからないため、実質無料で端末と回線を手に入れることができる。別途契約事務手数料3,300円(税込)が必要だが、Rakuten Linkの利用登録をすれば全額ポイント還元され、さらにオンラインで申し込んだユーザーには追加で3000ポイント還元されるという。
「楽天モバイルがこのようなバラマキを行う背景には大きな“誤算”があったと言われています。今年4月、楽天は満を持して携帯キャリア事業に参入しましたが、どうやらスタートダッシュに失敗したようです。当初、楽天は新規顧客獲得のためにプラン料金1年間無料キャンペーンを打ち出しましたが、獲得できた顧客は上限の300万人を大きく割り込み、一部ではその半分、いや100万人も獲得できていないのではないかと囁かれています。今回のスマホ1円キャンペーンはそのような窮地を打破するための思い切ったテコ入れと受け止める人は多いかもしれません」(ガジェットライター)
このキャンペーン開始を受け申込者が殺到、一時楽天モバイルのwebサイトが繋がらない状況が発生した。このような反応の一方で、既存ユーザーからは悲しみの声も。
《先週2万円で同じスマホ買ったのに…不公平感がすごい…》《すでに購入済みのユーザーの気持ちを考えて何か補填をしてほしい》
2019年秋の発表会でお披露目されたというオリジナル端末「Rakuten Mini」についてはすでにあらゆるネットメディアが取り上げている。「驚かされたのが価格。一括購入時で2万1800円」「価格が2万1800円と安価にも関わらず、しっかりFeliCaに対応」といった具合に、その価格設定が絶賛されていたのが、これが1円で売り出されては、「2万1799円返せ!」と訴えたくなる気持ちも理解できるというもの。
ネット上では不公平さを訴える声が多く見られ、楽天モバイルに何らかの還元を求める人が相次いで現れた。過去には大手玩具メーカーが人気ゲームの本体価格の「1万円値下げ」に踏み切った際には既存ユーザーに対し、過去のゲームを無料で遊べるようにするなどの補填を行ったが、果たして楽天モバイルは、既存ユーザーの怒りを収める救済策を用意しているのだろうか。
(浜野ふみ)