まるで違法薬物!? 路上の「マスク闇販売」気になる売り値と仕入れルート

 新型コロナウィルスの流行と同時に世の中からマスクが消えて早4カ月——。

4月には不評を買った“アベノマスク” が配布されたものの、現在もなおマスクの品薄状態は続いている。

 そんななか、最近よく目にするのが飲食店の軒先や路上で段ボールなどを広げ、マスクを販売する人たちの姿だ。さらには軽自動車のリアガラスに「マスクあります。550円〜。電話番号〇〇」などとの張り紙を掲げた「闇の移動販売車」まで登場。

 実際にマスクを購入した40代男性が語る。

「すっかりシャッター通りになった商店街で、テーブルを出してマスクを販売していたので、1箱50個入りのマスクを3000円で購入しました。マスクは家にも十分な数があったのですが、『ご親戚やご友人の方にいかがですか?』と言われて、ついつい手が伸びてしまいました。開封せずに箱ごと親戚に送ってしまったので、中身は確認していません。おそらく問題なかったと思いますけど……」

 医療ジャーナリストによれば、「政府はマスクを買い占め、ネットで高額で転売する人たち、いわゆる“転売ヤー”が続出したことで3月5日、マスク転売を禁止する措置を打ち出した。それによりネットオークションやフリマサイトなどで隠語を使った取引に移行しました。ところが、プラットフォーム側がこれを禁止にしたことで、在庫過多となった転売ヤー達の“闇マスク”がダブついてしまった。結果、売人によって路上で販売されるようになったようです」

 なかには、路上で通行人を呼び止め、耳元で「マスクあるよ」と声をかける売人も存在し、その光景はまさに違法薬物売買さながら。

「実はこの手の輩には特殊詐欺に関与している連中も多く、SNS上で『簡単なアルバイト』などと募集をかけて人集めをして、マスクの買い占めをさせる。これは家電量販店やアパレルブランド店などのセールにおいて、集団で物品を買い占め、転売するのと同様の手口。彼らにとって品薄になりそうな人気商品ならそれがブランド品であろうがゲームであろうが“金のなる木”でしかない。今回のマスクのように人の命を脅かされるものであっても、儲かるから売るだけ売って儲ける。マスクについては、まだしばらくは生産が追いつかないでしょうから、闇マスク販売が増える可能性はありますね」(前出・ジャーナリスト)

 品薄状態が続けば、路上販売品でもつい購入したくなるのが人情だが、なかには品質も製造過程もデタラメな商品が少なくないとされる闇マスク。こんな時だからこそ、さらなる冷静な判断が必要になりそうだ。

(灯倫太郎)

ライフ