今もネットの大海原には、世界中から次々と捏造された最新の情報が配信され、インフォデミックは日本にも飛び火している。
「『新型コロナの大流行により東京オリンピックが中止になる可能性も』という情報も出回りましたが、東京オリンピック大会組織委員会会長の森喜朗氏は、『SNSで東京大会が中止されるなど無責任なデマも流されたが、中止や延期を検討していないことをはっきりと申し上げる』と不快感をあらわにしていました。このようにデマ情報がエスカレートしている一方で、各所において根拠のない情報に振り回され、政府や地方自治体などは、その対応に追われているのが現状です」(東京五輪関係者)
不安が不安を増幅するあまり、真偽不明の情報もまことしやかに語られる始末だ。新型コロナの発生源としては、不衛生な武漢の野生動物市場で取り引きされるコウモリ肉などが指摘されているが、医療業界関係者は次のように語る。
「そもそも武漢市には、国家重点実験室に指定されている細菌兵器の開発を行う表向きのウイルス学研究所がある。その実験で使われた動物は産廃業者を通じて処理されるのですが、業者が裏で、武漢の市場に実験動物の肉を横流ししたというんです。その結果、ウイルス肉を食した人から広がり始めたと言われています」
さらには、トンデモ陰謀論までがネット上で流布されるようになった。ITジャーナリストが苦笑する。
「今回の新型コロナ騒動の背後には、激化する米中貿易戦争があって、覇権を握るためにまず中国の諜報機関が米国で新型インフルエンザのウイルスを生物兵器としてバラまいたと。これに激怒したトランプ大統領がCIA工作員を使って、新型コロナで報復したというんです」
日本医学ジャーナリスト協会理事の木村良一氏は、こうした事態に警鐘を鳴らす。
「一般の人が真偽を見極めるのは容易ではありません。悪質な情報に振り回されないためには、まずは厚生労働省や国立感染症研究所などの信頼できる公的機関が開示している情報をベースにすること。また、新型コロナに関しては、まだまだ不明な部分が多いので、常に最新情報を確認して、アップデートを図ることも大事です。正しい情報をキャッチアップして、正しく恐れましょう」
新型コロナの猛威はしばらく続きそうだが、何より必要以上に騒ぎ立てないことが好ましいようだ。