レジ袋削減の次はマグロ電気!? 小泉進次郎環境相がエネルギー政策で持論

 経済産業省が今夏に発表したエネルギー基本計画によると、2030年度までに再生可能エネルギーの電源構成比率を36〜38%にまで引き上げる方針だ。しかし、これに異を唱えたのが自民党総裁選に立候補した高市早苗氏。9月13日に出演した番組で、「(このままでは)日本の産業は成り立たない」として、見直す意向を示した。

 すると小泉進次郎環境相が、その後の会見で「再生可能エネルギー最優先の原則をひっくり返すのであれば全力で戦っていかなければならない」と対決姿勢をあらわに。総裁選で高市氏のライバルとなる河野太郎氏を支持しているだけに、対立構図をより鮮明にした形だ。

 以前より何かと“ポエム発言”で注目を集めてきた小泉環境相が9月25日、ラジオ特別番組「一緒にアクション!SDGs」(ニッポン放送)にゲスト出演して持論を展開。「マグロ電気」というパワーワードを披露して、共演者が「ん?」と言葉を失う一幕があった。

 同じくゲストで横須賀出身の天達武史気象予報士が昨今の異常気象について、「スーパー台風」のリスクが高まっている現状を伝え、「氷の結晶を台風の目に向かって落とす」「先に雨を降らせる」ことで台風被害を軽減する計画を紹介した。

 するとパーソナリティの羽田美智子が「台風のエネルギーを違うエネルギーに変えることはできないのかなって」と素朴な質問を投げかけると、小泉環境相が台風の風でも活用可能な「羽のない風力発電」や「波の力を使った波力発電」の開発が進んでいると明かした。

 その流れで、小泉環境相は地元・神奈川県のマグロ漁の会社が行っている取り組みを紹介した。

「マグロって遠くまで船で油を使って漁に出て、獲ったマグロを大量の電気を使って冷凍する。ものすごいエネルギーを使っているから『このままじゃ良くない』と言って会社の上に太陽光パネルを置いて、マグロ電気っていう」

 この「マグロ電気」というワードに羽田美智子は「ん?」と反応。小泉環境相は間を置かずに、「マグロ屋さんで再生可能エネルギーを生みます、と。それでマグロ電気っていう形でがんばって、少しでも環境に負荷の低い形でマグロを消費者に届けようっていう取り組みも始まったんですね」と述べ、マグロ電気を一般家庭でも買えるか、という羽田美智子の質問には「これからですね」と答えた。

「インパクトのあるフレーズで世間の関心を惹くのは小泉環境相の常とう手段。『マグロ電気』と聞くと、まるでマグロが発電しているかのように聞こえますが、実際は太陽光発電。昨年7月にレジ袋有料化がスタートする際には、世間の反感もあったものの、今ではすっかりエコバッグが当たり前の時代になり、小泉環境相も鼻高々の様子。すでに自宅の電気は再生可能エネルギーに契約変更しているそうで、エネルギー政策にも力を入れていくでしょう」(政治部記者)

 小泉氏は環境大臣の座を死守してエネルギー政策を実現できるか。総裁選や衆院選の行方にいっそう注目が集まりそうだ。

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