小金井市と人気アニメの聖地コラボに女性団体が抗議「子供に見せられない」

 3月7日、東京都・武蔵小金井駅前で市民団体と思しき女性たちのグループによる抗議活動が行われた。その様子はネット上で拡散され大きな話題となっている。

 抗議活動に参加していた女性たちは、自分たちの主張を訴えかけるように、「小金井市は“子供に見せられないアニメ”を活用したまちおこしの後援をやめてください」「胸の大きい小さい 身長の高い低いを揶揄するアニメ」「女子中高生の着替えシーン 肌着姿が出てくるアニメ」「スクール水着の女子中高生が出てくるアニメ」と書かれた紙を掲げていた。女性たちの主張によると、アニメとタイアップした町おこしイベントの是非を市民に問いかけることが目的のようである。

 東京都小金井市で“子供に見せられないアニメ”と問題視されてしまったのは「おちフル」の略称でアニメオタクの間で親しまれている「おちこぼれフルーツタルト」というアニメ作品だ。「まんがタイムきららキャラット」で連載されている原作漫画をもとにアニメ化した作品で、昨年10月からアニメ専門チャンネルのAT−XやBS日テレなどで放送されていた人気アニメである。

「“おちフル”は小金井市を舞台に、アイドル活動に奮闘する少女たちのドタバタな日常を描いたコメディ作品で、男性ファンから絶大な人気を誇っています。登場キャラの名前を小金井市の町名からとっていることや、小金井市の様々な施設が作中に登場することから、小金井市は作品を愛するファンにとって“聖地”となっています」(メディアライター)

 人気作品の舞台として注目を集めた小金井市は、町おこしの一環として“おちフル”とのコラボ企画を展開。“聖地巡礼”のため、小金井市にやってくるファンに向けて、限定グッズの販売や関連イベントを後援してきた。小金井市への経済効果はかなり大きいと言われており、町の地域活性化を助けたアニメとのコラボ企画だが、どうして批判の声があがってしまったのだろうか。

「本作は、アニメ化が発表された際に、ネット上で《お茶の間デビュー大丈夫なのか!?》と心配の声があがったほど、艶描写を含んだ作品です。主人公の排泄シーンはお決まりとなっており、放送後に《アイドルのトイレシーンをアニメで見せてくれるなんてすごすぎる》と話題になることもしばしばありました。ファンの間では《原作に忠実に下ネタもアニメにちゃんと盛り込んでくれた》と高評価でしたが、そういった作品と市町村がコラボするとなると批判の声があがってしまうのも頷けます」(前出・メディアライター)
 
 今回の抗議活動を知ったファンは《アニメは楽しく視聴したけど、下品と言われてしまうのは仕方ないかも》《なんも言い返せんかったわ…》《正論すぎてぐうの音も出ない》と、だんまりしてしまっている様子だ。

 ファンや地域の人々が楽しんでいる町おこし企画を辞めろというのは暴論かもしれないが、“子供に見せられない”という言葉の通り、「ゾーニング」に配慮する必要はあるのかもしれない。地域の人から愛され続ける作品であってほしい。

(浜野ふみ)

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