怒りの“対中報復”アメリカ、イギリス、ドイツが「5300兆円払え!」賠償訴訟

 発生源でありながらいち早い終息アピールで、世界のヒンシュクを買っている中国。情報統制と札束攻勢で黙らせることができるのは、途上国とWHOぐらいか。死者29万人を超えた(5月14日時点)というのに、当事者の知らぬ存ぜぬの対応ぶりに、怒り心頭の10カ国が前代未聞の巨額訴訟に踏み切ったのだ。

「過去最悪だ。真珠湾攻撃よりも、世界貿易センターよりもひどい。こんな攻撃はこれまでなかった。中国で止められたはずだったが、そうはならなかった」

 5月6日、米ドナルド・トランプ大統領(73)はあらためて、新型コロナウイルスが「中国発」であると強調。今や米中関係の最もホットな争点になっている。

 ウイルスの発生源を巡っては「武漢ウイルス研究所」からの流出説が根強くささやかれるが、中でもマイク・ポンぺオ国務長官(56)は対中強硬派の筆頭格として、メディアでたびたび挑発し、「(武漢ウイルス)研究所から流出したという証拠が大量にある」と主張。これにはコロナ禍に翻弄された主要国も同調する動きを見せているのだ。

 シンクタンクの研究員が解説する。

「アメリカだけでなく、イギリス、ドイツ、オーストラリア、インド、ナイジェリアなど8カ国の政府や民間機関が、賠償総額約5300兆円以上の訴訟を起こしています。さらに、フランスの国際放送局・FRIの報道では、そこにカウントされていない米ミズーリ州政府の推定請求額を加えると、1京円をも上回るとも報じたのです。これはあくまで4月末の段階のことで、フランスやイスラエルも上乗せされ、少なくとも10カ国からこうした動きがみられます。今後、さらに天文学的な賠償要求が中国に降りかかる可能性は否定できません」

 中国の習近平国家主席(66)にとっては寝耳に水の話。名目GDPが円換算1440兆円で世界第2位の経済大国にしても、約7年間の予算に匹敵するだけに、現実のものとなれば、大きなダメージになることは間違いない。国際ジャーナリストの山田敏弘氏によれば、

「国家主権による免責特権があるため、米国では原則的に外国の政府に対して訴訟を行うことはできません。しかし、9.11後にテロ対策の『米国愛国者法』が制定されたように、現行の法改正によってそれを覆す可能性はありますし、そのための議論も行われていると聞いています」

 あくまで現状は実効性は低いものの、今後の法整備などの環境が整えば、巨額訴訟による対中報復は十分に可能だというのだ。それだけではない。国際問題アナリストの藤井厳喜氏が語る。

「現実的に中国から賠償が支払われなくとも、中国が保有する1兆ドル超のアメリカ国債を差し押さえ、それを分配するという手段も考えられる。そこまで踏み込めば、中国も同等の措置を取り、米中の対立は決定的なものになる。アメリカの死者数は9.11テロで約3万5000人、ベトナム戦争ですら5万8000人だった。ところがコロナ禍ではすでに7万人以上、試算では13万人に達すると言われるだけに、このまま黙っているわけがない」

 まだまだ「二の矢」「三の矢」が控えているというのだ。かつて、「チャイメリカ」と言われるほど緊密だった関係はもはや、修復不可能な危険水域に突入したと言っても過言ではないのだ。

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